「一人じゃないよ」出産ドゥーラサポートプロジェクト 2年間の報告書
- 1 日前
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2023年9月から2025年8月までの2年間にわたり、「ドコモ市民団体活動助成事業」の一環として
性暴力サバイバーの妊娠出産を出産ドゥーラとして支援する「一人じゃないよ出産ドゥーラサポートプロジェクト」を実施しました。
性暴力は 4 人に 1 人が経験していると言われるほど社会に蔓延しています。
性暴力を受けたことのある人が妊娠・出産する時に「大切にされた」と思えるケアを受けることにより、
その経験が癒しやエンパワメントになることがあります。
産まれる子どもの世代に性暴力を伝えないことを目指し、ドゥーラ(妊娠・出産の専門訓練を受けた非医療者)が
トラウマインフォームドケアを学び、妊娠・出産・産後直後の継続的なサポートを行いました。

ドゥーラへの効果
ドゥーラに対しては、研修とメンタルサポートと資金を提供し、産む人をサポートするうえでドゥーラも「一人じゃない」という安心感・自信を持って臨めるようにしました。
2年間でドゥーラを含む支援者への研修・勉強会を5回実施し、延べ35人が参加しました。
内容は、トラウマ・インフォームドケアを基本にした母乳育児支援、妊娠・出産・産後の支援、望まない妊娠をした人の支援、性暴力を受けた人のパートナーの支援、など多様な視点から学ぶ機会を提供しました。
参加者からは、
「自分自身も過去と向き合いながらケアを提供していく」
「現状が変わるように根気よく訴え続けていく」
「声掛けについて、聴く姿勢、言葉選びが重要とのお話が参考になった」
「母乳をあげる方法や選択肢がたくさんあるということを伝えるのが大切。柔軟に対応していきたい」
という感想が寄せられ、セルフケアも念頭に置きながらこれからのケアに望みを持てたこと、
明日からの支援に使えるスキルを学べました。
また、勉強会で支援者同士が集まる場があることにより、
「また頑張って行こうと思う エネルギーになった」
「自分のケアから大丈夫なのかどうか不安になることがありましたが、今日で大丈夫だと思え ました」という、
支援者自身が「エンパワーされ」ることが改めて実感されました。
ドゥーラのメンタル面でのサポートしては、「ドゥーラ相談室」を設けて先輩ドゥーラに相談できるようにしたり、一般社団法人日本フォレンジックヒューマンケアセンターと随時連携をとりながら行いました。
産む人への効果
妊娠出産と産後直後のサポートは、ほぼ1年の伴走です。
今回のプロジェクトでは幼少期に性暴力を受けた経験のある1人の方のサポートを
2人のドゥーラチームと事務局が支え・見守りました。
妊娠初期は
・産む場所を探すお手伝い、
・健診への同行、
・妊娠出産についての相談やアドバイス
などを通じて信頼関係を築いていきました。パートナーにも常に協力してもらい、夫婦二人で出産・子育てに臨むという気持ちを応援しました。
中期は
・定期的なチェックイン
で安心感を更に醸成しました。
後期は
・出産や産後の具体的な相談・計画
・地域で得られるサポートとのつなぎ
・産む場所のスタッフに対してドゥーラの役割やプロジェクトの説明
を行い、出産に向けて産む人もそれを支える医療者も安心して臨めるようミーティングを重ねました。
出産はいつ始まるか予想がつきません。
二人のドゥーラが交代でオンコール体制を敷いて必要な時にかけつけられるよう準備しました。
出産は
前駆陣痛の間は場所を変えるなど臨機応変にサポートし、
陣痛が本格的になってからは声がけしたり、身体の向きを変えるお手伝いをしたり、マッサージするなど
産まれるまでパートナーと一緒に付き添いました。
無事出産された際にはみんなの笑顔がひとしおでした
産後は
入院中にお見舞いに行き、母乳の相談や退院後のことについて話ながら見守りました。
退院後も訪問し、地域のサポートを紹介したり、育児で疲れた夫婦が休めるよう赤ちゃんを見守ったりし、
継続してサポートしました。
ドゥーラサポートを受けた方は、ドゥーラの存在とサポートがあって安心できたということです。
また、この方のEPDS(エジンバラ産後うつ病質問票という一般的な産後の精神状態のスクリーニング)が
ケア前は23点だったのが、ケア後は15点と大幅に減少し、ドゥーラサポートの有効性が数字でも確認できました。
自分らしいお産について考えてもらうために

情報発信の一環として、ドキュメンタリー映画の上映会も行いました。
NPO法人UMIのいえの協力を得て、
オンラインと対面合わせて9回実施。
妊娠出産経験者及び周産期ケア提供者など、延べ242名に参加していただきました。
毎回上映会のあとに感想シェア会を行い、
「出産に主体的に向き合う気持ちが向上した」など
産む人・ケア提供者両方にとってエンパワメントの機会になったことが評価されました。
今後の取り組み
このプロジェクトは研究としても実施しています。
出産ドゥーラサポートの事例は日本ではまだ少なく、さらに性暴力サバイバーの出産サポートについては
ほとんど資料がないため、このプロジェクトでの事例研究を通じて得られた知見と経験を
できるだけ多くの場で共有して日本での性暴力サバイバーサポートにつなげていきたいと考えています。
のご協力を得て、ドゥーラ・産んだ人・出産に関わった医療者それぞれにインタビューを実施し、
事例研究を進めていきます。
各学会でも発表を行っています
2025年日本周産期メンタルヘルス学会(ドゥーラによるトラウマ・インフォームド・ケアに基づく妊娠出産ケア:症例報告)
2026年Interntaional Confederation of Midwives (https://www.midwives2026.org/)
プロジェクトの最終的な報告書は『ドコモ市民活動団体助成事業』のサイトで公開されているのでご覧ください。

















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