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トラウマインドームド・ケアに基づいた母乳育児支援講座 開催報告

日時:2024年2月27日(火)12時半~13時半

場所:オンライン

講師:薬師寺麻利子(助産師・国際認定ラクテーションコンサルタント・出産ドゥーラ)


【性被害が子育てに及ぼす影響ついて】

子どもの頃に性被害にあったことで、自身が子育てをすることになった際、

「母親になることが喜べない」

という場合があることは、様々な文献でも示されています。

多くの場合は

「周りのプレッシャーがある」「思いを封じ込めて過ごしている」

そして身近な人や専門家・機関(カウンセリングなど)に相談できるまでにとても長い時間がかかるというお話がありました。しかも、相談できる人は全体の僅かです。多くの人ははっきりと自分のもやもやの原因に気づかないまま日々葛藤を抱えながら過ごしていることもあります。


私たち(ドゥーラ)にできること:「(支援を)してあげる」という気持ちではなく、ただただ寄り添う。その人が本当に欲しいと思っているものが見えてくるよう、その方の気持ちになってみてそばにいさせてもらう。


【性被害にあった方の授乳】

出産後はホルモンの急激な変化により、ただでさえ気持ちが落ち着かない。性被害にあった方にとっては不安やプレッシャーもより重く感じることがある。社会的に育休はとりやすくなったが、その反面周りと話す機会が減ったり、パートナーとの関係性が難しいという現状も見えてきた。


私たちにできること:話をシェアしてくれたことに感謝。自分の発する言葉が傷つけることにならないよう気を付ける。どんなサポートがいいのか、誰のサポートがいいのか、選択肢を提示しながら何を望んでいるか一緒に考える。


【授乳の方法いろいろ】

直接授乳がイヤ → ✅ニップルシールドやケープの使用ならOK?✅搾乳ならOK?✅誰にも見られなければOK?

自分でコントロールしたい → ✅搾乳機または手絞りならOK?

赤ちゃんが授乳しているのを見るのがイヤ → ✅誰かに授乳をお願いしたらOK?✅哺乳瓶ならOK?


など、その方の希望やライフスタイルに合った選択肢は色々あるので一緒に考え試してみる。妊娠中から時間をかけて考えることができればより良い。途中で希望が変わっても良いと寄り添う。必要になりそうな専門機関とつながっておく。


【母乳の生成について】

一人目と二人目以降の出産の身体やホルモンの変化、乳房の構造、母乳が出なくなる仕組みなど専門的なことを分かりやすく教えて頂きました。


【参加者感想】

「声掛けについて、聴く姿勢、言葉選びが重要とのお話が参考になりました。」

「母乳をあげる方法や選択肢がたくさんあるということを伝えるのが大切。柔軟に対応していきたいと思います。」

との感想をいただきました。

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子どもの頃の性暴力体験は子育てにも様々な影響を及ぼすことがありますが、特に母乳についての影響やサポートの心得について有益な情報や心得を教えて頂きました。


母乳育児は比較的長期に及ぶこともあり、気持ちや身体も、子どもや環境の変化に伴い変わり続けます。その時その時にあった寄り添いができるよう、今後も色々なケースを伺いながら学び続ける場を提供していきます。




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