【文献紹介】「出産中の女性への継続的支援」 コクランレビューより

2017年7月にコクランレビューよりドゥーラという存在のエビデンスとなりうる研究結果が発表されました。


アブストラクトは日本語に訳されており下記のリンクから読めます。 https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD003766.pub6/full/ja#CD003766-abs-0004


いくつか、ポイントを挙げます。


【内容】

・17か国15,000名以上の女性を対象とした計26件の研究からデータを得たレビュー

・継続的支援の提供者は、

①病院職員(看護師や助産師など)、

②ドゥーラあるいは支援の提供方法についてある程度の指導を受けた女性など、病院に雇用されておらず、かつ産婦と個人的な面識のない女性、

③産婦の知り合い夫、パートナー、母親又は友人などの知り合いの中から、出産付き添い者として産婦本人によって選ばれた人、

のいずれかであった。


【得られたエビデンス】

出産中に継続的支援を受けた女性は、帝王切開や吸引分娩、鉗子分娩ではない経腟分娩になることが多かった。また、鎮痛剤を使うことが少なく、帝王切開率が低く、より満足し、出産にかかる時間が短かった。出産時に継続的支援を受けた女性は、産後にうつになることも少なかったようだが、これについては各研究の相違点が大きい(研究場所も支援提供者のタイプも異なっていた)ために比較が難しく、確かではない。出産中に継続的支援を受けた産婦から生まれた赤ちゃんは、生まれて5分後のアプガースコア低値が少なかった(アプガースコアとは、赤ちゃんの健康状態を評価するために出産直後と5分後に採点するために用いる)。出産時の継続的支援を受けた女性と受けなかった女性の間で、新生児集中治療室に入院になった赤ちゃんの数、母乳育児の有無にも差は見られなかった。継続的支援の有害作用は認められなかった。全体的に、エビデンスの質は低かったが、これは研究デザインの弱点や、研究が多様であったことが原因であった。


継続的支援の効果は、支援提供者がドゥーラ役割(施設のスタッフではなく、産婦の知り合いでもなく、継続的支援の提供のためだけに存在する)を果たす場合と、硬膜外麻酔が常に使用可能ではない出産場所の場合に、帝王切開を減らす効果が最も大きくなることが示された。陣痛中に付き添う人を産婦本人が選ぶことを許されないような出産場所では、継続的支援と、自然経腟分娩増加および帝王切開率低下の間に相関がみられた。


本レビューの参加者でもある福澤利江子先生が、チャイルドリサーチネットの記事において分かりやすくこの効果を数字で示してくださっています。(https://www.blog.crn.or.jp/lab/03/46.html

 

自然な経腟分娩が8%増える

出産体験への不満足が31%減る

出産中の鎮痛剤使用が10%減る

分娩時間が平均41分短くなる

帝王切開率が25%減る

吸引分娩・鉗子分娩が10%減る

部分麻酔の使用が7%減る

産まれた赤ちゃんのアプガースコア**低値が38%減る

 

少しデータは古いので数字が違いますが、Childbirth Connectionでは分かりやすくドゥーラ効果をインフォグラフィックで提供しています(https://www.nationalpartnership.org/assets/img/infographics/final_doula-brief-infographic-image.png)。